ロックの名盤をご紹介8 恐怖の頭脳改革 / エマーソン,レイク&パーマ


EL&P の「恐怖の頭脳改革」は、73年に発表された彼らの全盛期最後のスタジオ盤で、映画「エイリアン」のデザイナーとして有名なH.R.ギーガーのおどろおどろしいアートワークが話題になりました。
アナログ盤では、ジャケットが観音開き仕様になっており、開けるとギリシア神話の妖女メドゥーサが現れ、見る者を石に変えます...。
原題の「Brain Salad Surgery」は直訳するに “脳ミソ/サラダ/外科手術” と、なんだかグロいのですが、「恐怖の頭脳改革」と無難にまとめた感があります。というのも原題については、キース・エマーソンがインタビューでは、性的な意味を持つスラングだと語っています。なんだよ、結局はエログロかいな?
オープニングの名曲"聖地エルサレム"から始まり、このアルバムの最大の聴き所は、A面ラストからB面すべてを使った、空前絶後の組曲「悪の経典#9」です。3人が織り成すサウンドは、息をもつかせない展開を見せて、聴く者に圧倒的な衝撃を与え、起伏に富んだメロディーと緩急を付けたリズムを駆使した見事な構成によって30分にもおよぶ曲の長さを感じさせずに一気に聴かせます。
このアルバムで彼らはプログレ・ロック・トリオとしての限界を極めてしまい、これ以降の彼らの失速は結果として、このアルバムの完成度の高さを証明することになったのです。


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