ロックの名盤をご紹介12 ジギー・スターダスト / デビッド・ボウイ

デヴィッド・ボウイのアルバムから1枚を選ぶのは苦しい決断です。ボウイは、あらゆるジャンルの音楽を取り込み、自分のものにしてきましたので、アルバムによってジャンルが変わると言っても過言ではないくらいの変貌ぶりだからです。
そんな数ある名盤の中でも、デヴィッド・ボウイの代表作にしてロック史に残る不朽の名盤「ジギー・スターダスト」を選びたいと思います。
72年にリリースした「ジギー・スターダスト(The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)」は、滅び行く地球に舞い降りた救世主ジギーを名乗り、スパイダーズフロムマーズというバンドを引き連れて地球にやってきたロックンロール・スターという設定のコンセプト・アルバムで、ジギーの成功と没落を描いています。
従来のロックサウンドに管弦楽器やシンセや電子音を取り入れた近未来的なサウンド、そこに奇抜なメイクや山本寛斎による衣装といった演出が相まって、グラム・ロックを代表する作品として認知され、ロックアーティストとしての地位も確固たるものにしました。
ボウイは「ジギー」になりきって活動を始めます。ステージでも自身をジギーと名乗り、メディアに対してもキャラクターになりきります。その憑依とも言える、徹底したキャラクターを演じきることは当時、あまりにも革新的なことだったのです。
ツアーの合間に「架空のミュージシャン・ジギーが発表したアルバム」という設定の次作「アラジン・セイン」を発表し、その世界観を徹底させますが、73年6月のイギリス国内ツアー最終日のステージ上で、突如ジギーの終焉を告げ、ボウイはまた新たな音楽ジャンルへ移っていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000